犬の脳梗塞について

  1. コラム

犬の脳梗塞について

先日、ウチの飼い犬シロちゃんが脳梗塞になりました・・・

倒れた直後は自分で起き上がるのも困難で、ずっと寝たきりでした。現在は普通に歩けるまでに回復しましたが、これまでの経過や脳梗塞について調べた内容を忘備録として残しておこうと思います。

現在、犬を飼ってる方は目を通して頂き、犬の脳梗塞に関する知識を少しでも習得して頂ければと思います。

犬の脳梗塞:原因

人間の生活習慣病、脳梗塞ですが、この病気は犬にも発症します。詳しい原因は解明されていませんが、人間同様に栄養が偏った食事や運動不足による肥満などが原因と考えられています。

近年は室内で飼われる犬が増えており、食事中に人間のおかずを与えるケ-スも多いと思います。毎食ごとに与えていてはドッグフードも食べなくなり、味付けの濃い人間用の食物ばかり好んで食べる様になります。

ドッグフードは犬の健康を考えて栄養バランスなども計算されています。ドッグフードをきちんと食べさせるためにも、人間の食物は極力与えない様に注意しましょう。

その他の原因としては、高齢になり身体の機能が衰えた場合や脱水症状によるもの、甲状腺機能低下症・副腎皮質機能亢進症を持病として持つ犬も発症しやすいと言われています。

※シロの状況
シロも食事時になるとドッグフードには目もくれず、食卓の方に来て食べ物をねだりました。そのため少量ではありますがおかずを毎日のように与えていました。また、昼食にはマックのフライドポテトなども時々食べさせていました。高カロリーで肥満の原因になるので控えるべきでした。(続く)

犬の脳梗塞:症状

犬の脳梗塞は発症した部位(大脳もしくは小脳)により症状は異なりますが、どちらの場合も急激な容態の変化が見られます。

【大脳で発症した場合の症状】
・体の震え・けいれん・麻痺・ぐるぐる回る旋回運動・嗅覚の麻痺・失禁など

【小脳で発症した場合の症状】
・立てない・ふらつき・まっすぐ歩けない・意識障害(反応が無い)・首が傾く・眼が揺れ動くなど

※シロの状況
シロは散歩の途中に発症しました。普通に歩いていたのですが、ふと見るとノロノロした緩慢な動きになっており上手く足を上げる事が出来ない状態でした。
気になったのでしゃがみこんで撫でてやると普通に歩きだしたので、そのまま歩いて帰宅しましたが
その直後に異変が起こりました。階段を登れなくなり、よだれを垂れ流していたのです。
これはただ事ではないと思い、かかり付けの病院に連れていきました。よだれを垂らしているというのは明らかに頭部に異常がある状態なので一刻もはやく病院に連れていき検査を受けましょう。(続く)

犬の脳梗塞:診断方法

犬の脳梗塞を調べるにはMRI検査を行う必要があります。症状を見ただけでは特定するのは獣医師さんでも難しいのです。MRI検査は、全身麻酔をかけて行いますので、かなり大掛かりな検査になります。しかも、検査できる病院が限られますので事前に確認しておく必要があります。

※シロの状況
帰宅後に異常が見られたので直ぐに病院に連れていきましたが、精密検査をしないと原因が特定できないと言われました。その病院には検査機器がない為、検査が出来ませんでした。MRI検査ができる病院を紹介してもらい直ぐに向かいましたが検査待ちのワンちゃんが多く、その日の検査は難しい状況でした。しかし、シロの症状を見て危険な状態かもしれないとの事で、なんとか検査してもらえました。検査費用は全身麻酔込みで8万円でした。(続く)

※シロのMRI検査の写真です。今見ても胸が締め付けられます。

犬の脳梗塞:治療法

対処療法になりますが、下記の治療法があります。

・脳のダメージを予防するステロイド剤の投与
・低酸素を改善するための酸素吸入
・血液をサラサラにして悪化を予防する抗血小板薬の点滴
・循環血流改善のための輸液療法
・脳圧亢進を軽減するために利尿剤投与

自宅での治療は薬を飲ませリハビリを行います。全身のマッサージで血行を良くしたり、脚の曲げ伸ばしによる屈伸運動などが家庭で取り入れられるリハビリです。

※シロの状況
帰宅後に発症して掛かり付けの病院に行き、そこからMRIの検査が出来る病院に向かいました。しかし、着いた時点で検査の予約が一杯で夕方まで待つ事になりました。時間がかかるので一旦帰宅し19時頃に再度病院に向かいました。診断の結果、小脳の脳梗塞と判明しましたが、治療法はリハビリをするしかないと告げられ失意のうちに帰宅しました。シロは自力で立ち上がれず、この日はトイレにも行けませんでした。
寝たきりのままかもしれないと覚悟しつつも、手足を動かしたり、全身マッサージを行いました。シロは首のあたりのマッサージが大好きなので入念に揉みました。少しでもストレスを感じない様にしてやりたかったのです。(続く)

犬の脳梗塞:発症しやすい犬種

犬の脳梗塞が発症しやすい犬種はプードル、チワワ、マルチーズ、ポメラニアン、ミニチュアダックスフンドなどの小型犬に多い様です。

また、血管梗塞を引き起こす要因となる疾患、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症を持つ犬も脳梗塞になりやすいと言われています。犬種はボストンテリア、ヨークシャーテリア、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、ビーグル、ボクサーなどが該当します。

シロの脳梗塞、その後の状況

脳梗塞が発症して2日程は寝たきりの状態でしたが3日目には這ったままの状態で庭に出ておしっこが出来る様になりました。その後、知り合いの方から評判の良い動物病院を教えて貰ったので、藁にもすがる思いで連れていきました。

その病院で状況を詳しく説明して3種類の治療薬(錠剤)を頂きました。

①リマプロストアルファデクス錠5μg
②アデホスコーワ20mg
③ノイロビタン(1日2回朝夕:10日分)

この薬の作用は主に脳内の血栓、血の塊を取り除き、血管を拡張させる働きがあります。副作用も発生する恐れがあるので用法、用量を守って使用する必要があります。

その後、薬が効いたのか否かは分かりませんが数日後には自分で立ち上がってふらつきながらも何とか歩けるまでに回復しました。トイレも庭で出来るようになりました。

シロの脳梗塞:今後のリハビリについて

この記事の執筆時点でシロが薬を飲み始めて7日目です。薬は10日分頂いたので、この薬がなくなったら、もう一度病院に連れて行く予定です。リハビリも継続して行います。全身マッサージ(肉球も含めて丁寧に行っています)、足の屈伸運動は毎日行っています。

散歩もコ-スを少し短めに設定しています。回復してきたら徐々に長くしていくつもりです。

食物はドッグフードをきちんと与えています。食事療法が重要だと思っていますのでビ-フジャ-キ-などもカットしています。薬を与える時だけ少量のパンに挟んで食べさせる程度です。

その他では納豆、ヨ-グルトも大好物なので時々与えています。この2品を食べさせている時は大便がきちんと良好な硬さで排出されていたので効果はあると思います。現在はこんな具合ですが、今後もシロの調子を見ながら回復度合いに応じて運動量を増やしていく方針です。

■4月23日追記
納豆は脳梗塞の予防に大きな効果が期待できる食物であることが分かりました。納豆には「ナットウキナーゼ」という、たんぱく質を分解する酵素が含まれていますが、このナットウキナーゼが、血栓の主成分であるフィブリンを溶して、脳梗塞や心筋梗塞などの予防が期待できると言われています。犬の場合でも脳循環の改善にいいと言われており、ナットウキナーゼを含んだ犬用サプリメントが販売されているほどです。

犬の脳梗塞:まとめ

犬の脳梗塞は非常に稀な病気ですが発症した場合、脳の血管が破裂して死に至る事も多い危険な病気です。治療法はあるものの発症すれば大なり小なり何らかの後遺症が残ります。

ワンちゃんに異変がある場合は直ぐに病院に行き、対処する必要があるのは言うまでもありませんが、それ以上に日常生活での予防をきちんと行い、発症させない様に管理していく事が重要だと考えます。

食事はドッグフードを決まった時間に適量与え、毎日の散歩を欠かさずにしっかり行う、簡単なようで意外に出来ていないケ-スが多いと思いますので、この辺りからきちんと改善していく事で予防できると思います。

その上で日々ワンちゃんの様子を確認して異常が認められた場合は直ぐに掛かり付けの病院で診察を受けましょう。「素人療法」や「取りあえず様子を見る行為」は手遅れになる場合がありますので厳に慎みましょう。

人間の場合と同様に早期発見、早期治療が大事です。今回の脳梗塞に関しては人間同様に素早く対処する必要がありますので重度の後遺症を残さないためにも即行動しましょう。

 

■3月14日追記

前回処方された薬が切れたので再度病院に連れていきました。だいぶ改善されたので安心したのですが、まだ油断は出来ないとの事でした。再発する可能性がある為、脳梗塞の原因を調べるために再度検査をした方がよいと言われました。

今回は前回処方してもらった薬とは別の2品を頂きました。こちらは副作用の心配もほとんどない軽い薬という事で2週間分頂きました。1日2回与えます。

この薬が無くなった時点で検査を行います。(朝食抜きで朝一番に伺います)それまでは薬を飲ませ細心の注意を払ってシロと接します。異常があれば直ぐに病院へ連れていくよう、家族にもお願いしました。

取りあえず一安心といったところです。

 

■4月3日追記

今日はシロの健康診断を行いました。朝一番に病院に伺い、開店前に順番待ちで並んでいる患者さんをごぼう抜きして病院に入りました。「並んでるのに割込みして入るなよ!」という無言の圧力を背中に感じつつもガン無視して入ります。(事前に予約を取っていれば問題ないのです)

健康診断と言っても血液を採取して分析するだけなので、実際にやった事は看護師二人と三人がかりでシロが動かない様に押さえるだけでした。

私は頭を持ってシロに話しかけながら撫でていました。注射器一本分の血液を採取しました。シロはブルブル震えていましたが、暴れることなく無事に終了です。検査結果が出るまで2、3日かかるので今日はこれで帰宅して後日確認に行きます。良好な結果が出るのを祈るばかりです。

 

■4月8日追記

前回の健康診断の結果が出たので確認のため、再度病院に伺いました。検査結果が出ていました。
(素人の写メで醜いですがご容赦ください)

  

先生の説明によると・・・問題になる箇所は何もなく、健康状態良好の「健康優良児」だという事で逆に褒めて頂きました。

ただ一か所だけ・・・数値が高い箇所がありました。(これも許容範囲ですが)分かりやすく言うと、血液が濃いのです。水を多めに補給する必要があります。散歩にも水筒持参で途中に休憩して飲ませようと思います。

食事もドッグフードだけだと空腹時以外はなかなか食べないので、ヨーグルトや牛乳をかけたりしていますが、この方法を継続していこうと思います。

今回の検査結果は嬉しい内容になりましたが、脳梗塞が発症した原因が特定できなかったのでモヤモヤ感が残ります。血液の濃度に若干の問題がありましたが、これに加えて、諸々の要因が(年齢の問題や、運動不足など)重なった結果、脳梗塞が発症したのかもしれません。

今後は食事(高カロリーな人間の食物を与えない)、運動(一日二回の散歩を欠かさず行う)水分補修(水飲み場を2か所に増やし、ヨ-グルを食べさせる)を常に意識しておく必要があります。これ以上悩んでもしょうがないので、気持ちを切り替えて、シロとの日々を楽しく過していこうと思います。

「シロちゃん、これからも宜しくね!!」

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